YASさん ~The World~

デザインから日常から~

初施術を終えて


人生初となる彫り師体験を終えました。

トライバルデザインをする上で、やはり起源となるのはタトゥーなのですが、そのタトゥーも、機会が無ければマシンを目にする事はおろか、触らせてもらえる事、ましてや実際に使わせてもらえるという事はありません。仕組みや衛生管理などの座学的な知識や方法など全て含め、今回は本当に貴重な体験をさせて頂きました。ブログを書き進める前に、まずはこの場を借りて今一度彫り師さんに心から御礼申し上げます。彫ぎんさん、ありがとうございました!!

さて、まずは体験談として書いていこうと思います。とにかくなによりも「難しかった」という、この一言に尽きます。
陶芸体験、ガラス制作体験、焼き物体験、ワイン作りとか手芸とか、ワークショップとなるとそれこそもっと多種多様な事が体験出来ますよね。そのどれとも違うのが「失敗したら後が無い」ということ。タトゥーですから。消えませんから。それに加え「痛みを伴う」という事ですね。今回の初彫りは、陶芸や手芸とは違い、こっちも一応はプロのデザイナーとして活動しているワケですよ。これまで磨いてきた自分なりの技術と経験があるワケです。それでも「難しかった」です。。

普段しているデザインやアイライナーのなんちゃってタトゥーみたいに、ただ描けばいいだけじゃない。握っているものはペンじゃないし振動もある。足で踏み込む(マシンを動かす)+インクを拭く+ワセリンを塗る等々、考える事ややるべき事が沢山あって、しかもペンで描くのではなく針を刺しながら彫っていくという作業。何回も言いますが、本当に難しかったです。

肝心(?)の痛みに関してですが、確かに痛いのは痛いです。でも、痛みを感じる暇も無いってのが正直な感想です。緊張しまくりでアドレナリン出まくりで、いちいち痛いとか怖いとか考えてる余裕はほとんどありませんでした。一点集中。一筆入魂。痛みなんて二の次です。どれだけ綺麗な線が彫れるかという事しか考えてませんでした。

体験談はこんな感じでしょうか。。









実際に自分で彫ってみて感じたデザインに通ずるところ、というか、単純に思ったところは、なんしか「師匠はメチャクチャ大事」という事です。師と呼ぶ程でなくてもいいですが、側で丁寧に教えてくださる人の存在の大きさは凄まじいです。

私はまだ「彫り師になるぞ!」と決めたワケではありません。正式に弟子入りしたワケでもないです。それでも、いざタトゥーの施術となった際、1から100まで全部教えてくださいました。衛生管理は勿論、マシンのセッティングの仕方、必要となるインクやキッチンペーパーやワセリンなんかの使い方など全て。
施術が始まれば、針の入れ方やら角度やら、ありとあらゆる事をです。まァ、私がタトゥー用語がある程度は分かる事なども考慮した上で…というのは大きかったと思います。
(施術中の動画は筋彫りだけしか撮りませんでした。後になって「つぶしの動画も撮っておけばよかった」と後悔してます…)

それがあったからこそ、今回の初施術は完成しました。なければ絶っっっっ対無理です。何をどうしたらいいのかさっぱり分かりませんから。

今回のは「習うより慣れろ」や「百聞は一見にしかず」が合ってると思います。習う事も慣れさせてくれる事も、聞くよりもまず見せてもらえる事、これらを経験させてくださったので本当に感謝です。

https://elephanttattoo.jimdofree.com/
(今回お世話になったElephant tattooの彫ぎんさんのスタジオHP置いておきます)

日々デザイン画を描いてきて、想像(創造)力・画力・技術・経験は大事だなと思います。私の場合は師はいませんし、美大とかデザインの学校に通っていたワケでもないので完全に独学です。建築やインテリアを専攻していたので、線を引くとか設計図のようなベース絵を描くという点に置いては、少しでも学んで(経験して)おいて良かったと思えます。

そんな私にTwitterではちょいちょいリプやDMが来ます。どうやったらそんな~みたいな内容のやつです。察してください。
これに対し、基本的に「ぶっちゃけ誰でも描けると思うよ~」と適当な返事をしてたンですけど、まァ無理だよね!www
天才肌の人の場合は別に必要ないと思いますけど、独学+努力でやっている人にとっては、そりゃ知りたいよね!って思いました。今まで適当な返事ばかりですみませんでしたm(__)m

しかし、今回のタトゥー施術のように、細かい線の描き方とかマンツーマンで実践しながらトライバルデザインを教える側となったとしたら、それなりの指導は出来ると思います。








施術自体、後半は半ばヤケクソのような感じでした。ペン画に慣れているので、初っぱなから線がガタガタなのが悔しくて悔しくて震えるレベル。それでもマシンの扱いに慣れてくれば数分~数十分で成長は出来て綺麗な線が引けるようになってはきたンですけど、それでもいつも紙に描いている自分のクオリティと比較するとガッタガタなワケです。プライドもガッタガタ。
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「YASさんだぞ…ッ!?あのYASさんがこんなレベルなハズがないッ!神とか天才とか言われるこのYASさんがッ!畜生ッ!このままでは終われるかッ!いける!俺ならいけるハズ!大丈夫!マシンと思うな!肌と思うな!いつものように紙とペンだと思え!」みたいな。頭の中でずっとそんな感じで奮い立たせていました。

ちなみに、彫り師さんはずっと楽しそうでしたw
タトゥー用語も分かるし、普段からデザインしてる、それに加え、些細な事でも「多分YAS君なら理解出来てるだろう」みたいな安心感(?)もあったみたいです。私自身も、僅かな事でも「これは◯◯の為ですよね?」と説明を受けずとも理解出来ていたので、教える側としても楽だったのだと思います。








……と、まァこんな感じでしょうか。

とにかく「メチャクチャ難しかった」という感想しか残らないような感じでしたが…w

なんしか、トライバルデザイナーとしてはかなーーーり貴重な経験をさせて頂いた事は確かです。私個人の考えとして、トライバルデザイナーとして活動していく以上、実際に入れるべきだと考えております。経験として。サイズによる値段や痛みや経年劣化でどうなるか…を身を持って知ることで、タトゥーデザインの依頼があった際に、よりクライアントに親身に寄り添うことが出来るからです。
近所の野球好きのオッサンと、プロ野球を引退した元プロ、コーチとしてお願いするならどっちにするかって事です。言わずもがな後者です。

それを今回、自分の身体で体験出来たので、この先タトゥーデザインの依頼が来た際にはメチャクチャ親身になって、クライアントさんと一緒になって考えていく事が出来るだろうと思っております。








また、今回の施術では、色(インク)の入り方の少し薄いところは出来る限り修正せずにそのままにしてあります。完治した際に色味にどれだけ差が出るか、を自分の身体で実験するため、あえて残してあります。

ちなみに、Twitterでは言いましたが、入れたタトゥーはデーヴァナーガリー文字で「ニルヴァーナ」と入れました。色んな想いを込めております。気になる方は…まァ勝手にググってくださいw
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書きたい事はもっと沢山あったハズなんですけど、いざこう記事にしていると何をどう書いたらいいもんやら分からなくなってきて、グダグタな感じの、ただの文字の羅列になってしまいました。。
えぇーっい!言いたいことや聞きたいことがあるなら直接言ってこんかぁーい!!