人には人の乳酸菌

人には人の価値観がある。どんな異常な環境でも、それが長年の付き合いとなると、自分の中でいつしかその異常な環境も普通になる。非常識な事でも常識に変わる。他人からするとおかしな事でも、自分の中では至って普通のこと。

ブラック企業に勤めていた人がホワイト企業に転職し、なんて素晴らしい会社なんだろう…と感動していた際、同僚から「いやいや普通だから。君が今まで居た会社がおかしなだけだから」と言われる…なんてのがいい例ですかね。

さて、今回はそんなお話し。。

重たい系？ノンノンノン、環境や人間関係は全く無関係。私の腰痛の話しです！！！

先述の通り、異常な事も長年となるとそれが普通になる。正に私がそう、Ｏ脚と長い付き合いです。
知らぬ間にどんどん酷くなり、気が付けばこのＯ脚である事が当たり前になり、寝るも歩くも座るも異常を感じる事は無くなりました。

昔は直立不動になれば真っ直ぐ綺麗に揃っていた脚が、今や膝と膝は離ればなれ。織姫と彦星ですら一年に一度は逢瀬が叶うというのに、私の膝と膝はもう何年も熱い接吻を交わしておりません。昔はあんなに堂々と抱き合っていたってのに、今やどんだけプラトニックな関係なんだよ。熟年夫婦かコノヤロー。

…ってなワケで、私の腰痛の原因はＯ脚にあるワケです。いや、実際のところ腰痛の原因なんてなんぼでもあるンですけどね。チェックシートとか渡されたら、恐らく全てチェックが入るだろうと思います。重たい物を持つだとか、座りっぱなしだとかそういうの。そういうのが色々ある中の一つがＯ脚です。

なので、まァ単純な話し、このＯ脚っつーのを真っ直ぐ揃っていた頃のように治せば済む事なんですけど、これがいかんせんどうにもなりません。ローマは一日して成らずと言いますからね。Ｏ脚も僅か一日でなってしまったワケではない。雨粒が石に穴を穿つが如く、長い年月をかけて形成したものです。元に戻そうにも一日で簡単に戻るもんではないです。

むしろ今更感ですから。脳が身体に「オイ、前から言おうと思ってたンやけど、お前どう見ても脚が外側に広がってるよな。昔そんなんちゃうかったやん。そのせいで腰も痛いンやろ。元に戻せや」なんて言ったところで身体は聞く耳持たずです。
身体「昔は昔！今は今やろ！これが当たり前になってんねんからしゃーないやんけ！ほんならお前(脳)は昔より賢くなっとんかい！九九の七と八の段がすんなり言えるようになってから来いやドアホ！」ってな感じです。

お手上げです(いや、オイ…)

昔ずっと整骨院に通ってた事があるンです。週に2～3回ぐらいの頻度で。その時、男の整体師さんに触られた瞬間に「いや…なにこれ…？」って言われた事があります。えぇ、腰がもはや石の硬さだと。年齢的に有り得ないと。

試しにって事で、腰にしている指圧を腕にしてもらいました。一瞬で「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いッ！！！」でした。
「そうでしょ？普通の人なら一秒も持たず絶叫するぐらい全力で押してるンです。でもYASさんはこれでようやくマッサージされてるわ～ぐらいの感覚でしょ？石なんですよ。全体重かけて本気で押してンのに筋肉に全く指が入っていきません」と。

ただでさえそのレベルの腰痛って事です。
それをね、長年かけて形成されたＯ脚を治す事から始めるぜ～って……今更感も甚だしいでしょ。

「Ｏ脚改善＝骨盤」です。骨盤をどうにかするには骨盤回りの筋肉をほぐすってのが重要なんです。だからその筋肉が石なんだっつーの。馬鹿かよ。そんなんだから九九の七と八の段で「あれ？」みたいな事になるンだよ。うるせェッ！！

はい。冒頭に戻りましょう。

私の身体はもはや「Ｏ脚である事が普通」になっています。しかし、Ｏ脚である事は普通ではないですし、それが腰痛を引き起こす主な原因の一つになっている事は明らかです。

だからこそ、それを改善する為にストレッチをしているワケなんですが、今や普通となってしまっているＯ脚を治そうとするって事は、身体をあえて異常な方向に持っていこうとしているようなものなんです。
だからね、えーっと、裏の裏は表だけど、表の表は表、みたいな。あの、うん、なんて言ったらいいのか分からんッ！九九も分からんッ！！

つまりですね、腰痛を改善する為にしている事は、現状だと逆にそれをする事によって腰が痛い！って事です。
箸の持ち方がおかしい人に正しい箸の持ち方を教えたところで上手く使えないのと一緒です。

ちょっ…今の箸の持ち方の例え秀逸じゃないですか？脳もそれなりに賢く育ってくれてるンじゃないですか？身体のほうも「…ふんっ…少しは賢くなったじゃない…じゃあ私も少しはＯ脚改善するわよ…べっ、別にアンタの為じゃないンだからねっ！」って感じで、少しは脳を見習ってＯ脚(腰痛)の改善に協力してほしいもんです。