YASさん ~The World~

デザインから日常から~

呻き声の正体


昔、友人宅に無理を言って2~3ヶ月ほど居候をさせてもらってた事がある。もちろん家賃や光熱費は半分出すし、居候の身なのでトイレやらキッチンやらは積極的に掃除はするように気を付けてた。

広い家ならまだしも、1Kで特に仕切りもないので、天井にロープを張って、そこにカーテンを吊るして間取りを作る…といった状況だった。なので、自分の生活スペースは畳1~2畳分程度。必要な家具家電類はレンタル倉庫に放り込んで、とりあえず生活が出来ればそれでいいから~と頼み込んで同居させてもらっていた。

生活リズムは極力その友人に合わせるし、夜中にTVやPCを観ていても何も文句は言わない。早朝から起きて動く時は、出来る限り物音を立てず、起こさないように家を出るように、と、本当に気を遣って生活していた時期があった。

過酷な話しだが、財産やら仕事やらも全て失った時の、私がまだ23歳ぐらいの時の事である。








そんな気を遣いながらの生活でも唯一欠かさなかった事が「筋トレ」だった。精神的にも肉体的にも負けないよう、一日でも早く居候生活から離れられて社会で生きていく為に、と、筋トレだけは欠かす事なく限られた狭いスペースの中でも毎晩やっていた。

そして、そんな生活が1~2週間ほど過ぎたある時、同居している友人からカーテン越しに話し掛けられた。








友「YAS、今ちょっといい?」

YAS「おう、エェで、なに?」

友「いや、あの、カーテンの敷居があるから分からへんねんけど、毎晩なにしてるン?」

YAS「あぁ、筋トレしてんねん」

友「あーー、筋トレか、そっか…」

YAS「うるさかった?ごめんな。一応気を付けながらやってたつもりやねんけど」

友「いや、その、声を押し殺しながらたまにハァハァ聞こえるからさ…もしかしたらオ◯ニーしてるンちゃうかなって…」

YAS「いやいやいやいや!してへんしてへん!っつーか出来るかいな!出来たとしても居候の身でカーテン越しに毎晩とかやるワケないやろ!」

友「せ、せやんな!よかった~。毎晩ハァハァ聞こえるから、こっちもどない接したらエェか分からんかってン…筋トレやったか…そっか…」

YAS「流石にやらへんよ。そのぐらいの分別はわきまえてるしやな」

友「やんな。まァ安心したわ」

YAS「あー、うん、まァごめんやで。筋トレしてたらどうしても息上がるし、これも迷惑やったら自重するよ」

友「いや、それやったらなんぼやってくれてもエェよ。俺はずっとオ◯ニーしてるもんやと思ってハラハラしてたから、その誤解が解けただけで十分やわ」

YAS「お、おう…なんかごめん…」








………という事がありました。

そりゃまァ、全力で筋トレしてたら「う"っ、ぐぐっ、あ"あ"あ"あ"…ハァハァハァハァ…ふぅ~…」とかはなるので。あらぬ誤解を招いてしまった、そしていらぬ気を遣わせてしまった友人には本当に申し訳なく思っております。。

どうしても習慣付いてたし、身体だけでも鍛えておかないとメンタルも崩れやすくなると思ったので、居候させてもらいながらも筋トレは続けてました。

まァ、そんなこんなしているうちに、借金はしながらも新しい仕事の初任給でどうにか引っ越しは出来るようになったので、早急に話しを進めて、居候生活は終わりました(その後も個人的にはメチャクチャ苦労したし大変でしたけどね…)。








あらぬ誤解は受けていましたが、その友人が受け入れてくれたお陰でどうにか今の自分があるワケですから、メチャクチャ感謝してます。今も持ちつ持たれつな感じで仲良くしてます。

次に一緒に飲みに行った時は、笑い話や思い出話としながらも、今一度「あの時はありがとう」と感謝の気持ちはしっかり伝えておこうと思います。

余談ですが、マジでオ◯ニーは一度もしてませんからね。呻き声とかは全て筋トレによるものですから。流石にそんなお世話になってる奴のすぐ隣でそんな事ァしませんよ!!!!