YASさん ~The World~

デザインから日常から~

ペン入れ講座


前々から言っていた「ペン入れの仕方」について真面目に書いていこうと思います。ここ最近は真面目なデザイン記事が多いですねー。なんだか悔しい(←?)ですが、まァまともに書いていこうかなーと。

「そんなの当たり前やんけ。言われんでも普段からやっとるわいッ!」とか思ったりするかも知れませんが、そこは多目に見てください。私も普段から意識的にやっている事ですからね!そこは一緒だから!でも、これがタトゥーを彫る時となれば?と考えてみて…いや…別に考えなくてもいいかな…
要するに、いつも意識してやっている事だとしても、普段と違う状況に置かれると出来ないかも知れないンだよ!?という事も踏まえて、えぇ、とりあえず、知ってる(既にやってる)人はおさらいとして、知らなかった人は「さすがYASさん!略してさすYAS!」と思いながら読んでもらえたらと思います。

では参りましょう。ペン入れ講座!








私はデジタルはやらないので、あくまでアナログ(手描き)デザインとして説明していきます。尚且つ、トレーサーを使った上での描き方になりますので、予めご了承ください。

まず第一に「ペン入れ」とは!
簡単に言えば、下描きの線を「なぞる」事です。読んで字の如くペンなので、下描きのように鉛筆やシャーペンのように消せるものではなく、ボールペンやミリペンやつけペン等での「本描き」となります。

そして、下図が一般的なペン入れの方法、下描きになぞって描く代表的(?)な描き方です。
※赤ペンを下描き、黒の点線をペン入れとして説明していきます。
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ごく一般的な「これぞペン入れ!」という方法です。下描き(赤)をそのまま忠実になぞっていくという、超スタンダードな方法です。








では次にあえて「内側」にズラしながらペン入れしていく方法をご紹介しましょう(下図)。
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しっかりとデザインを描いていないので分かりづらいでしょうが…赤ペンで描かれた下描き同士の距離が近いのは分かると思います。これをスタンダードにそのままなぞって描いてしまうと、ペンのインクの滲みや紙の質によっては下描きよりも外側にハミ出してしまう可能性があります。ミスも同様ね。
(ちなみに、赤ペンで描いている矢印は、この先ベタ塗りをする予定である方向を表しています。要するに内側です)。

こういった場合には、あえて少し内側にペン入れしていきます。そうすれば、もしハミ出してしまったとしても、本来の下描きよりは外側に膨らむ事が無いので、後々で修正が出来ます。問題なのは、下描き(赤ペン)通りになぞって、本来想定していた以上に外側に線が出てしまう事です。これを避ける為に、こういった密度の高い下描きの場合は、気持ち「内側」にペン入れしていきましょう。後で修正が出来ます。

余談ではありますが、これはタトゥーの施術でも言える事です。転写シートの通りに彫っていくと、一歩間違えば線が繋がり兼ねないです(初心者だと特に)。
なので、後のベタ塗り(つぶし)でカバー出来るように、あえて本来の下描きよりも内側に描く(彫る)というのは大切です。最終的に綺麗なデザインを描く為には必須です。








最後に、下描き線の外側にペン入れする場合について説明しましょう(下図参照)。
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パッと見で分かりやすいようにかなり雑に描いた下描き(赤ペン)ですが、こういった場合には、ラインの流れやサイズ感だけに重きを置き、下描きで崩れた部分を補うように、外側にペン入れしていきましょう。こうする事でちょっとした修正にも繋がります。

他にも、下描きの時には同じ太さで線を引いたハズなのに、いざペン入れしようとすると太さが違う…となった時、まァ一番いいのは下描きを描き直す事なのですが、目測で太さが判断可能なのであれば、箇所や場合によって「内側と外側」を分ける事が重要です。








肝要なのは、ペン入れという行程に入る前に、線をなぞるだけで済むレベルの下描きをする事ではありますが、全体のバランスを見直した時や、白と黒の境目を考えると難しかったりします。
下描きはあくまで下描き。大事なのはそこからの本番である「ペン入れ」です。そのまま下描き通りに中心をなぞるか、もしもの事を考慮して内側に描くか、修正も兼ねて外側に描くか、綺麗に描こうと思うと、ペン入れだけでもこれだけ種類があります。ペン先の太さを変えたり、箇所によっては誤魔化しのきかない場合もあります。








余談ではありますが、私がアナログでデザインする際に最も苦手な行程がこの「ペン入れ」でした。あとで修正さえすればどうにでもなる!と思って適当に描いていた時もありますが、、、
ペン入れは非常に重要です。デザインそのものの良し悪しを決める重要なファクターです。下手や苦手よりは、上手や得意であるほうが間違いなくいいです。自分の武器にもなりますし、上達すればトライバルのようなベタ塗りを必要としない「線画」が描けるようにもなりますので。

まーまー、少し長くなりましたが、YASさんが教えられる(?)のはこんな感じです。
冒頭で描きましたが、既に意識してやってる方はおさらいとして、意識した事が無かった人はこれも一つの勉強として役立ててもらえたらなーと思います。

その他で気になる事があればいつでも質問ドーゾ。私が答えられる事であれば出来る限りお答えしますので。勿論個人LINEもwelcomeですよー。