YASさん ~The World~

デザインから日常から~

悔しさをバネに


知ってる人は知ってると思いますが、私は数年前まで鬱でした。震えが止まらず、人と会うのが怖くて、毎晩眠れず、食事も摂れず、昔の出来事を想起しては泣きじゃくり、その結果、精神病棟に強制入院という形になりました。

勿論、他人が怖いので個室です。その何も無い刑務所のような個室で、眠れない夜を過ごしながらずっとベッドの片隅にうずくまって泣いていました。朝昼晩と提供される食事も手に付かず、巡回してくる看護士さんに、一切手を付けていない配膳を返していました。

同じ病棟にいるのは勿論同じ(?)類いの人達ばかり。常に瞳孔が開いているような危ない人や、ヤクザ崩れや、普通に見えても外に一歩出れば包丁を振り回す人や、そのへんで糞尿を垂れ流す人。私はそういう人達と「同じ」であると判断され、外出も許されず隔離されていました。








悔しかった。








自分で言うのもなんですが、これまでどんな仕事だろうとほぼ完璧にこなしてきた。
倉庫業では新しい荷出しの方法をあみ出したり、フォークリフトの操作や他の部署での仕事や新人教育も任された。営業では成績優秀だとされ、成績トップのチームに配属された。ショップ店員時代には売り上げトップの成績も出したし、正直やれない事なんて無かった。

そんな自分が、何も出来ない、人とも関われない、毎日ただ空を見上げて、自殺(飛び降り)防止の為に開けられもしない小さい窓から行き交う人を見るだけだった。








悔しかった。








退院して、スーパーに買い物に行った。ビクビクしながら店内を探すも、目当ての商品が見つからない。でも、人に話しかける事が怖くて店員さんにも声を掛けられない。どんな反応されるのかを想像しただけで震えが止まらなくなって涙も出て来て、結局なにも買えないまま家に帰った。








悔しかった。









そして今、不眠症とかは治ってはいないが、人とは普通に接する事が出来るようになったし、希死念慮もほとんど無くなった。自分なりに仕事(デザイナー)が出来るようになり、まァそれだけじゃ生活が苦しい事もあって、派遣に登録してちょくちょく行くようになった。

ヘルニアの影響が大きくて、長時間は働けなかったり、働いた後は最低でも1~2日は休養期間が無いとまともに動く事も出来ない。力仕事となると、元々生まれつき心臓に病気がある事もあって、人より疲れやすいし、ちょっとした運動や動作でも息切れが激しい。

まーまー、そこは仕方がないとしよう。

でも、自分なりに最悪の状況(鬱)は脱したハズだと思ってる。体力は無いし歳を取ったとは言えど、出来ない事は無いと思ってる(ヘルニアの症状が出ない限りでw)。

そういう意味で、今の派遣バイトでの待遇が凄く悔しい。悔しい。悔しい。
他よりもなんでもこなせている自信はある。でなければお客さんからお褒めの言葉も無いだろう。でも、あくまでたかが「派遣の一員」であり、現場での活躍なんて誰も知るハズがない。








悔しい。








彫り師としてデビュー出来れば、よほどの事がない限り派遣バイトには入らないだろうと思う。だから、その前に自分の実力は認めさせてやろうと密かに思ってる。

派遣バイトとは言え、その中でもランクが存在する。クレームが入れば勿論仕事は回らなくなるし、なんでもこなせて先方から激励があれば社内での価値が上がる。価値が上がれば秘密裏に時給が上がったり交通費が全額支給されたりする(あくまで今までの経験上や、派遣する側の人の話を聞いた上での事だが)。

なので、派遣登録を解除する前に、自分の実力は見せておきたい。必要だったと思わせてやりたい。かつて勤めた会社が「辞めないでくれ」と言ってきたのと同じぐらい、存在はアピールしてやろうと思う。








悔しいでは終わらせない。








都合のいい時だけ前日ギリギリになって仕事振ってくる会社や。今は多分「都合のいい人間」でしかない。これを「ピンチヒッター」に変えてやる。向こうから「お願いします」と言ってくるぐらいにはしてやる。

負けたままでは終わらんぞ。覚悟しとけ。